りんご初代看板娘の「りんご」

キッチン&やど ぶたのしっぽ

〒399-8301

長野県安曇野市穂高有明2186番地157
TEL (0263)83-5958

りんごのページ

「ぶたのしっぽ」のかわいい仲間物語

初代看板娘の「りんご」
1991年に作家屋の山岸さんが果樹園で子犬を拾いました。りんご園の前で拾ったから名前は「りんご」(山岸さんは関西出身なので関西弁のイントネーションです)。冷たい雨が降る中、建物の床下でうずくまって震えていたそうです。右前足に奇形があったので、それが捨てられた原因かも知れません。
最初は「ろっぢ ちいさな栗の木」で飼っていて、縁があり、半年後に我が家で飼うことになりました。と言っても、まだ、「ぶたのしっぽ」が出来る前。岡谷の実家にあずかってもらったりして、こいつも結構苦労したよね。
大雪の日、小屋から顔を出す「りんご」
「りんご」は子犬のときからずっと変わらずにかわいい顔。色がベージュっぽくてコロコロしているもんだから、初めてのお客さんからは時々真顔で「ぶたを飼っているんですよね」などと言われました。裏の川沿いが散歩道。お客さんの案内も得意です。

若い頃の「りんご」は、間違いなく「ぶたのしっぽ」の看板娘でした。
修学旅行の子供たちと
いつも「ぶたのしっぽ」の周りにいて、お客さんをお出迎え。お客さんが帰られる時は、ちゃんとお見送りをしました。(本当は、イヌの放し飼いはいけません)
修学旅行の女子高生が来た時は、愛想良く大サービス。でも、ちょっと気紛れなところがあって、遊んでもらって疲れた後は知らん顔。
それじゃ、ダメじゃん。

「りんご」のニガテは、子どもとおばあさんと軽トラ。
子どもは、耳を引っ張ったりシッポをつかんだり、いたずらをするので分かる気がするのですが、おばあさんと軽トラに吠えるのは謎でした。
きっと、小さい時に、おばあさん運転の軽トラに乗せられて捨てられたんではないか、なんて、勝手に想像して盛り上がっています。

「りんご」のアルバムLinkIcon

2000年7月31日から8月1日にかけて「りんご」が子供を産みました。
子供を産んだ「りんご」
お父さんの名前は「吉宗」くん。その頃、近所の保養所で飼われていた犬で、結構モテていたそうです。GW開けに脱走して「りんご」の所に来ていたのですが、その時に「りんご」が恋をしてしまったのでしょう。2000年5月27日にお客さんと散歩に出かけたのですが、なかなか帰ってきません。心配していたら何故かお客さんが1人で帰ってきて「りんごがオス犬とつながったまま、離れなくなってしまった」と言うのです。ピンと来て保養所に行ったところ、やっぱりいました。こちらの顔を見るなり慌てて「吉宗」くんから離れてコソコソと逃げようとするのです。あきれて怒る気にもなれず、その時は連れて帰りました。お客さんを連れ回した揚げ句に「吉宗」くんのロッジに行って、大願成就したというわけです。
しばらくしてから「りんご」の食欲がおう盛になったのですが、もしかしたら子供が出来たかも、と気がついたのは「りんご」のお腹が大きくなってからでした。おっぱいも大きくなっています。
本を読んだら、犬は約64日で出産するとのこと。あの日から計算すると、予定日は7月30日です。もう9歳にもなるのだから、子供は2匹ぐらいだろうか?生んでも4匹ぐらいだろう、などとかみさんと話していたのですが・・・。
予定日から1日過ぎた31日の夜、断続的に「りんご」のうめき声が聞こえてきて、ライトを片手に声をする方を見に行ったら、かねてから薮の中に掘っていた穴の中で子供を産み始めていました。
8月1日の朝、様子を見に行ったら、おなかの陰に赤ちゃんが見えます。「ご疲れさん」と水をあげたら、夢中で飲んでいました。

薮の中に置いておくわけにもいかないので、場所を移そうと思いましたが、「りんご」がおとなしく子供を渡してくれそうにありません。そこで「りんご」を抱きかかえて子供から離し、その隙に子供を段ボールに入れて家の裏に移動しました。その時に、6匹だと思っていた子供が7匹いることに気づきました。でも、1匹はやせ細っていて、明らかに他の6匹とは育ち具合が違います。それでも、箱の中で一生懸命「りんご」のおっぱいに吸い付いていました。
でも、やっぱり、その子は育ちませんでした。
他の6匹は、白が3匹、黒が1匹、茶色が1匹、濃い茶が1匹で、このうち、白の1匹と茶色がメスでした。
授乳する「りんご」
夏だったので、暑くないように周りに氷を入れた器を置いたり、蚊取り線香を焚いたり、家族ぐるみで子育てをバックアップです。

不肖の息子「まろん」のページLinkIcon

桃の香りとゲリゲロ伝説

2000年11月に、「りんご」と「まろん」、そして「ぶさいく」を連れて伊勢に遊びに行きました。「まろん」は生まれて3ヶ月目で、クルマ酔いが心配だったのですが、何とかこらえて料理自慢の民宿に到着。出かけた時の夜は、普段はイヌはクルマの外でネコはクルマの中で過ごすのですが、民宿の飼い猫を見るたびに「りんご」と「まろん」が吠えるので、迷惑をかけてはいけないと思い、ヤツらもクルマの中へ。そして迎えた次の日の朝、仲良くしているか見に行ったところ、なんか様子が変なのです。ドアを開けたら「りんご」が飛び出てきて、続いて異様な臭気が・・・。「りんご」が体調を崩して、クルマの中で粗相をしていたのでした。運転席後ろの床の上と助手席のシートの上、そして寝るように敷いておいた毛布の上に、よりにもよってピーピーのやつを。仕方が無いので汚れたものを下ろして、洗って干して、床とシートを拭いて・・・。その時、荷室の隅っこに、こんもりとゲロがあるのを発見。「まろん」はやっぱりクルマ酔いをしていたのでした。そこへ登場したカミさん、さすがに気が利くというか、桃の香りのファブリーズを積んできていたのです。ゲリゲロを拭き取った後にファブリーズをたっぷりと吹きかけて臭いを消して一件落着と期待していたら、閉じた空間では桃の香りがきつい!おまけに、臭いも消えなくて、余計に異様な臭いになってしまいました。楽しい旅行も台無しです。帰ってから、また掃除をしたのですが、よほど深くまで浸透してしまったのか、しばらくの間、臭いは消えませんでした。

「りんご」が泣いた・・・

松本にある信州スカイパークに遊びに行ったときのこと。
ベンチに座ってお弁当を食べて、デザートにマサムラのカスタードシュークリームを食べようとした時、甘いものが大好きな「りんご」がにじり寄ってきました。そこで「座れ」「待て」の命令。「りんご」は賢いので、じっと我慢して、こちらが美味しそうに食べるのを見ています。そのうち「りんご」の目から大粒の涙がポタポタとこぼれ始めました。もう、びっくりするやら、大笑いするやら、まるで子供のような「りんご」ちゃん。そんなに食べたかったのか!と大慌ててシュークリームの残りをあげました。
普通、イヌは「鳴く」けど、泣かないよね。

白糸の滝でハプニング!

久しぶりの旅行で、静岡方面に向かった時のこと。早朝着いた白糸の滝で悲劇は起きました。滝を散策して再び駐車場まで戻る途中、売店が並ぶ狭い道のど真ん中で、いきなり「りんご」が中腰になり、大きい方を始めてしまったのです。まったく予期していなかったのでビニール袋を持っていません。仕方なく、Aが「りんご」と一緒にその場に残り、Bが駐車場まで戻って、ティッシュとビニール袋を取ってきました。まだ混雑する前でしたが、それ故に、余計に好奇の目で見られ、実に恥ずかしい思いをしたものです。
同じようなことが妻籠でもありましたが、その時は強引に引きずってごまかしました。でも「りんご」の後には、ごまかし様の無い黒いものが点々と落ちていましたとさ。
白糸の滝白糸の滝。この後悲劇が・・・


りんご、二度目の出産か!!

すっきり!
2001年12月のこと・・・
「このところ、りんごのお腹が大きいような気がするんだけれど」「そういえば、2ヶ月くらい前に見かけないイヌが来ていたような・・」
 数日後・・・
「ねえ、りんごの様子がおかしいよ」「こどもが生まれるんじゃあない?」「何か、苦しそうだよ」「あ!おしりのところから、黒いものが出て来ようとしている〜〜」
「う○こだ〜〜〜」
とってもきつい便秘に苦しんでいたとは知らず、りんごちゃんに子供が出来たとばかり思っていました。おしりの周りを押して、う○こが出るように協力してあげたのですが、真剣に痛がって、声を出しながらいきんでいました。

水が好き〜!

「りんご」は、何故か知らないけれど水が大好きでした。散歩に行けば、必ず天満沢川に入って水浴びをします。
チョ〜気持ちいぃ〜!
そんな「りんご」ですが、ある時期から、ちょっぴり水が怖くなりました。中房川で遊んでいた時に深みにはまって、一生懸命犬かきをしても流れに負けて前に進めず、その必死の顔を見て異変に気づいたオーナーに助けられて・・・精神的ダメージは大きかったようです。本当は泳ぎたいけれど、怖くて先に進めない。いつも、そんな葛藤をする「りんご」です。

乳腺炎

夏前から お腹に出来た腫瘍が大きくなって弱っていた「りんご」。2005年8月24日に「みさわ動物病院」で手術に耐えられるか検査を行い、異常無しということで、乳腺の切除手術に踏み切りました。(当日、病院の駐車場でウンチをしたのはご愛嬌)
麻酔を注射されたら、すぐに力が抜けて、そのまま奥へ・・・。
元気になった「りんご」
次の日、予定通り退院。 お腹から左前脚脇までの大手術だったにもかかわらず、比較的元気ですした。
帰ってきてから、近所をゆっくりと散歩。 おしっこをしてウンチをしてご飯を食べて・・・。 丸一日食事を抜いてお腹が空いているようで、あげたご飯はすぐに食べてしまいました。
座ったり、寝転がったり、起き上がったり、姿勢を変えるのはかなり辛そう。 痛いというよりは、皮膚が張って、うまく出来ないといった感じです。 人間だったら、とても、あんな大きな手術に堪えられません。 イヌは、凄いです。


お別れ・・・

2005年9月半ばになってから、再び「りんご」ちゃんの具合が悪くなりました。 手術をした側、左前脚の付け根がかなり堅くなってしまい、うまく歩けない状態です。そこでいつもの病院へ。 ぐったりしていても、病院に行くとなるとちゃんと歩いてクルマまで来て、おとなしく乗って行きます。 全然嫌がりません。 検査の結果は肥満細胞腫でした。悪性の腫瘍で、完治の見込みはほとんどありません。やれることといえば、ステロイドで進行を遅らせることぐらい。
元気になって・・
その後、抗生剤・ステロイド・胃腸薬が効いたのか、どんどん元気になって、10月9日の夕方には散歩に行くまでになりました。 食欲旺盛で、堅かった左前脚の付け根も柔らかくなり、もしかしたらこのまま治るのではないかと、つい期待してしまいます。
散歩に行く「りんご」
11月10日、日なたぼっこをしている「りんご」のところに行ったところ、起きようとしても後ろ足が言うことをきかず、立ち上がれずに倒れてしまいました。 でも、夕方には一緒に散歩に行くくらいに回復です。 それからの「りんご」は好不調の波が大きくて、寝ている時は、息をしているか確かめたくなるくらい深く、何故か食欲はあるので、人を捜してはおねだりします。 食べたことを忘れてしまうのかもしれません。 やがて、夜の徘徊が始まり、自力で帰って来れなくなりました。昼間は、水を飲んで好きなものをちょっと食べて、あとは朦朧。でも、痛いとか、苦しいとか、そういったことは無くて、意識が薄れていっている。だから、とっても穏やかです。
もう歩けません・・
そして11月26日、とうとうお別れの日が来てしまいました。朝起きて様子を見に行った時には、もう冷たくなっていたのです。
開業以来「ぶたのしっぽ」の看板娘をつとめて、「まろん」を育て、ネコの面倒を見て、私たちの心に潤いを与えてくれた「りんご」に、感謝しています。